【Tokyo Pops編】

20 juillet 2017

Accoutrements et antiquités 2/2

前回の章の続きです。翻訳クラブの部員の平均年齢は、、非公開ですが、

今回はいつものカロリーヌ節以外にも、原宿の若者ファッションの壁が立ちはだかります。

ゴスロリって何??辞書に載っていなければ、まずはググってみましょう。

そして、今回はヴァンサンの代わりにプリモで仕事中のエリックが大活躍!

 

 

<原文>Certains de ces originaux ont adopté1 le style gothico-romantiquea) mélange de noirceur2 et de dentelles.  D'autres ont opté pour la version tragique, arborant vêtements déchiquetésb) et cernes charbonneuses sous les yeux.  Des caricatures désuètes de rockers aux bananesc) surdimensionnées frôlent3 avec de faux airs méchants les punkettesd) aux maquillages inspirés des mangas4

 

D'audacieux mélanges vestimentaires5 amplifient l'énergie dégagée par cette foule: crinoline6e) sur les chevilles7f) criards prudemment8 assortie d'un9 masque anti-microbien;  combinaison-short et talons aiguilles librement agrémentés d'oreilles de lapin10g); piercingsh) et chevelures bleues avec nounours en bandoulière!

 

Représentant le main stream en matière de mode au sein de cette foule hétéroclite, les incontournables adeptes11 du style kawaii exhibent toutes leurs parures infantilisantes12.  C'est une débauche de chevelures blondes oxygénées, de rose bonbon, de macarons tressési), d'anglaisesj), de barrettes à cœurk), de chausses tire-bouchonnéesl) sur les cheville, de cols Claudinem) en dentelle, de tabliers de soubrette volantés, de peluches, de rubans Vichyn), de Pikachu, Pokémon, Bunny13 et autres personnages de BD reproduits14 jusqu'à indigestion.

Rien n'est attendu15, rien ne suit de règles, rien n'est justifié par les maisons de couture16. Ces milliers de17 jeunes gens, les wakamono, suivent la loi du capharnaüm18 en l'absence de toute limite.

 

 

<試訳>奇抜なファッションと骨董 2/2

 これら独特の格好をしている中には黒色2とレースを織り交ぜた、ゴスロリファッションa)を自分のものにしている1人もいれば、その他にダメージ加工された服b)を得意げに着、目の下に石炭色のクマをつけた悲壮感の漂うバージョンもあった。

 

オーバーサイズの勲章c)をつけた時代遅れなロッカーのカリカチュアみたいな奴が一見怖そうな様子で、マンガ4からヒントを受けたメイキャップをしたパンクファッションd)の娘とすれ違っている3

 

大胆で奇抜なファッションが混ざり合い5、この人混みから放たれるパワーを増大させていた。膨らんだスカートe)6にやかましいドタ靴f)7が、ばい菌よけのマスクとうまく調和し8.9、ミニサロペットにハイヒールの女性は,ウサギの耳でg)10飾られている。ピアスh)に青い髪はぬいぐるみを背負っている!

 

この雑多な人ごみの中で、ファッションの主流として避けて通れないのは11、子供っぽい12ファッションを見せびらかす<かわいい>スタイルだ。脱色した金髪、ピンクのお団子ヘアーi)、三つ編みを耳の上で巻いた頭j)、長い巻き毛k)、ハート型のバレッタl)、踵の上に渦巻き状になったルーズソックスm)、レースのピーターパンカラー、フリルのついたメイド服、ぬいぐるみ、ギンガムチェックn)のリボン、ピカチュウ、ポケモン、バッグスバニー13、その他あらゆるアニメのキャラクターが、これでもかというほど多種多様に混ざり合っていた14

 

ルールもなければ規則にも従わない15、モード界からお墨付きをもらっている16わけでもない。ここにいる何千という17若者たちは、いかなる制限もないこの雑多な空間18の法律に従っている。

 

 

 

 

 




編集長

エリック

エリック

★仕事中に

呼ばれる

 

カロ

リーヌ

★メール

にて返答

 

エリック

部員D

部員A

編集長

エリック

エリック

部員C

カロ

リーヌ

エリック

カロ

リーヌ

カロ

リーヌ

部員B

新入部員

全員

部員A

部員B

カロ

リーヌ

エリック

カロ

リーヌ

編集長

言葉による表現だけで奇抜なファッションを想像するのは結構難しいものです。辞書に載っていない、あるいは意味が時代に応じて変わった言葉もありますから、インターネットの辞書サイトや画像検索も活用することも必要になりますね。まず、ファッションにかかわる用語だけピックアップしてみます。

 

  1. gothico-romantique ゴシック&ロリータ(ゴスロリ)ファッション
  2. vêtements déchiquetés ダメージファッション
  3. bananes フルーツのバナナでもなく、勲章でもなく、前髪という意味があるようですが、フランスの辞書サイトによれば、50年代のロックンローラー風リーゼントのようです。
  4. punkettes これも普通の辞書になく、辞書サイトによれば、パンクスタイルの女の子とわかりました。
  5. crinoline 18~19世紀のドレス。スカートを膨らませるために発明された骨組みの下着が原義です。
  6. croquenots ドタ靴、エンジニアブーツのような安全靴。
  7. oreilles de lapin うさぎの耳を付けた(ハイヒール)
  8. piercings ピアス
  9. macarons tressés 三つ編みをしたお団子(ヘアスタイル)
  10. d'anglaises 縦ロール(ヘアスタイル)
  11. barrettes à cœur ハート型バレッタ
  12. chausses tire-bouchonnées ルーズソックス
  13. cols Claudine ピータンパンカラー、丸襟
  14. Vichy ギンガムチェック

 

1. Adopterは、辞書の第一義に「自分のものにする」とありますが、次の行のopterと同様に「選ぶ」という意味ではありませんか。

 

そうですね。adopter, opterは同義語で、choisir, séléctionnerが近いです。

2. Noiceurは、黒ではなく、暗いが近いのではないでしょうか。

Gothic の洋服だから、ここは具体的な意味の「黒い」です。

3. frôlent 辞書では「軽く触れる」とか「すれすれに通る」となっています。訳しにくいところですが、リーゼント頭やパンクスタイルの女の子が行き交うとしてはどうでしょう。

 

肩が触れ合う、という感じです。狭いところに、若者がたくさん集まり、ぶつかりそうなのかもしれません。

 

4. manga 日本の漫画やアニメはもはやフランス語でmangaやaniméなんですね。

 

 

 

5. ニュアンスがよくわかりません。

 

des mélanges vestimentaires audacieuxと同じです。 audacieux(摩訶不思議な)はmélanges vestimentairesにかかります。「摩訶不思議な服装の組み合わせ」でいかがでしょうか。

 

 

 

crinoline スカートを膨らませるために発明された鯨ひげや針金を輪状にして重ねた骨組みの下着が原義ですが、ここではパラシュートスカートかな?と思います。

 18/19世紀のドレス。特徴はスカートにボリュームを出すためのストラクチャーです。このときのドレスの丈は短いものでした。

当時の写真を参考にすると、回転すると丸く広がるサーキュラースカートと呼ばれるもののようです。

 

 

クリノリンドレス

サーキュラースカート

7. croquenots ドタ靴ですが、一時流行ったエンジニアブーツなどのワークブーツのことではないかと。

 

著者は、crinoline, croquenots, criardsとcri, cro, criと音遊びをしていますね。

こういう音あそびを訳すのはむずかしいですね。

 

 

 

prudemment(控えめに/慎重に)は、目立つ格好に対して控えめにマスクをしているのか、それとも、風邪対策として慎重にマスクをしているのでしょうか。

 

 

 

両方だと思います。

用心してカゼ予防のマスクをしています。

9. 前置詞で意味が違ってくるので要注意です。

associer deは、「付けている」   associer àは「調和した」です。ここでは、前者で「マスクを付けている。」です。

 

 

 

10.  Oreilles de lapinは、迷いました!リボン型のヘアバンドもそういうようですが、ヒールにヘアバンドはないでしょう。

 

 

Oreilles de lapinはうさぎの耳を模ったハイヒールです。

 

 

 

 

百聞は一見にしかず。こんな靴があるなんて。

また、上記ファッション用語で取り上げたchausses tire-bouchonnées sur les chevillesですが、chaussesを辞書通り、タイツと考えてしまうと分らなくなってしまいます。形状を想像して、これはルーズソックスのことですね。

 

 

う~ん、でもわたしは、ルーズソックスではないと思います。Tire-bouchonneは渦巻き方ですから、イメージしにくいです。

 

 

それでは、カロリーヌに聞いて見ましょう。

 

そうです。ルーズソックスのことです。

 

11. Les incontournables adeptes の意味がよくわかりません。

 

世界中、可愛いスタイルはよく知られていて、竹下通りに行けば必ずそういう若者がいる。それは、避けられないということです。

 

 

なんとも日本語になりにくい表現ですけれど、意味はよくわかりました

12. Infantillisante は、子供っぽい、というよりも強い表現で「子供じみた」「幼児性の」に近いです。

13. Bunny アメリカのアニメ「バッグス・バニー」なのか?「バニーガール」なのか?でもBDの主人公とあるので前者でしょう。でもバッグス・バニーはカワイイキャラではないので、ミッフィじゃない?

 

セーラームーンの主人公「月野うさぎ」のことではないですか?筆者にご確認を!

 

 

バッグスバニーのつもりだったけど、ミッフィーの方が良いかもね!

えええ!!!!

 

 

14. reproduitが、訳されていないようです。再生された、コピーされた(BD)ですね。

 

15. attendreは、「期待する」「予想する」のどちらの意味になるのでしょうか。

 

= tout est inattendu. 予想外や予想はずれなどはいかがでしょうか。

 

16. justifierのニュアンスがよくわかりません。

 

原文においては受身形になっていますが、Les maisons de couture ne justifient rien.

と同じ意味です。それぞれのオーダーメイドのメゾンが正しい着方やファションセンスを教えていないという意味ではないでしょうか。

特にパリに行く日本人は買い物する時に、安全で、良いとされるブランド品を買うでしょう。原宿で買う洋服はブランドでなくてもいい。宣伝も許可もいらない。つまり、竹下通りで若者が着ている洋服はブランドの「保証」はいらない、という意味です。

17. ces milliers de jeunes gensは、何千ものというよりも、数えきれないほど多くの若者ではないでしょうか

 

ここでは、そうですね。

18. 辞書どおりに、乱雑に散らかった場所、がらくたの山でよいのでしょうか。または、旧約聖書の都市の名、カペナウムに何か意味があるのでしょうか。

 

 

いろいろなアイデアのことです。英語では、its buzzing or radiating with creativity/ activity/ idea/ diversity

カオスほど強くないですが、そのようなニュアンスじゃないでしょうか。

 

皆さんそろそろ、お茶はいかがですか、、?

部員A

部員B

部員C

部員A

エリック

カロ

リーヌ

新入部員

部員B

カロ

リーヌ

部員D

編集長

編集長

部員A

編集長

部員C

カロ

リーヌ

部員D

エリック

エリック

部員B

部員C

エリック

問答スタート!!

などなど、、、問答を経て。

<部員による検討結果>

↓↓↓

滑稽なファッションと骨董品* 2/2

独特の格好をしている人たちの中には、黒い服とレースを合わせたゴスロリファッションや、墨でクマをつけたようなアイメイクに、ダメージファッションの悲壮感バージョンもいる。大げさなリーゼントヘアーで、流行遅れの風刺画から出てきたようなロック歌手気取りが、ワルぶって、マンガみたいなメイクをしたパンク少女の脇を通り過ぎる。

 

摩訶不思議な服の組み合わせのエネルギーがこの集団から溢れている。耳障りな音がするワークブーツとサーキュラースカートを着て、用心にカゼよけのマスクをしている。ミニサロペットで、うさぎの耳を自由にアレンジしたハイヒール姿もあれば、ピアスに青い髪で、ぬいぐるみをおんぶしている!

この種々雑多なファッションの中でも多数を占め、主流となっている《カワイイ》スタイルの信奉者たちは、いずれもみな子供じみた服装をしている。

 

髪を脱色して金髪やショッキングピンクに染めたり、三つ編みのお団子や、縦ロールのヘアスタイルだったり、ハートのバレッタ、ルーズソックス、レースの丸襟、フリフリのメイド服、ぬいぐるみ、ギンガムチェックのリボンや、ピカチュウ、ポケモン、バックスバニーなど、ありとあらゆるアニメのキャラクターのコピーが、これでもかというほど溢れている。

 

予想外で、ルールもなく、ファッションブランドからのお墨付きも何もない。ここにいる多くの若者たちは何の制限もない寄せ集めの法則に従っている。

 

バカンスに出かけていたカロリーヌに、聴きたいことが山とあった翻訳クラブの部員たち。

今回はグーグル検索で見つけた服の画像などを見てもらい、原宿ファッションを理解しました。

 

検討結果のタイトルに※印は問答の後にさらに問答があったということで、、。

前章のDesign et décadence(デザインとデカダンス)と同じように今回のAccoutrements et antiquitésも言葉の音遊びが感じられるのですが、ここまで日本語で伝えようとするのは本当に難しいものですね。ぎりぎりまで頑張った結果が今回のものになります(骨あわせというのもなんとも。。笑)

 

これで晴れてエコール・プリモもバカンス、、、ではなくガイド通訳の講座で青梅の澤ノ井酒造に見学に行ってきます!

もう一度、原文・試訳を読む

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